締切まであと6日|トヨタ・ウーブンシティ住民募集で見落としがちな5つの落とし穴

ウーブンシティ住民募集2026|締切8月19日。裾野市の実証都市の住居棟とWoven Welcome Center ウーブン・シティ

トヨタが静岡県裾野市で進める実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」が、2026年8月5日から一般住民(Weavers)の公募を始めました。静岡県内に住民票があれば応募できる、初めての本格的な一般公募です。

ただし締切は2026年8月19日(水)13:00。募集期間はわずか2週間しかありません。

沼津・裾野・御殿場エリアに暮らす身として「これは近所の話じゃないか」と思い、現地に足を運び、公式サイトと各種報道を洗って調べました。家賃はいくらか、2年間で総額いくらかかるのか、ペットは飼えるのか、応募後にキャンセルできるのか——迷っている人が本当に知りたいポイントを、締切から逆算した実用ガイドとしてまとめます。

結論:迷っているなら「とりあえず出す」が合理的

先に要点を3つだけ。

  • 締切は8月19日(水)13:00。募集は25世帯程度
  • 契約手続きに入る前なら辞退できる(応募=確定ではない)
  • ペットを飼っているなら、応募フォームでの申告が必須(後出しはほぼ効かない)

家賃や間取りの詳細が示されるのは2026年10月の「間取りのご提示会」です。つまり応募した時点では、まだ何ひとつ確定しません。9月の説明会、10月の提示会を見てから判断できる仕組みになっています。

逆に言えば、ここで応募しなければ検討の土俵にすら上がれない。迷っている段階なら、まず応募して選択肢を確保しておくのが合理的です。

Toyota Woven Cityのサインと街並み

募集の基本情報

応募期間2026年8月5日(水)13:00 〜 8月19日(水)13:00
募集世帯数25世帯程度
応募資格応募代表者が18歳以上、かつ2026年8月5日時点で静岡県内に住民票があること
国籍要件入居希望者全員が入居期間中、継続して日本国籍または在留資格を保有していること
入居期間2027年3月 〜 2029年2月末(2年間)
契約形態定期建物賃貸借契約
所在地静岡県裾野市御宿1117番地

これまでの入居者は、トヨタやウーブン・バイ・トヨタ、実証協力会社の社員とその家族に限られていました。静岡県民に広く門戸を開いた本格的な公募は今回が初めてです。

ここで見落とせないのが契約形態。定期建物賃貸借契約なので、原則として2029年2月末で退去することになります。実証実験のスケジュール等により延長を依頼される場合はあるものの、住み続けられる保証はありません。「気に入ったから更新」ができない点は、通常の賃貸と決定的に違います。

家賃と間取り

公表されている賃料レンジは以下の通りです。

間取り広さ賃料(月額)
1R / 1K / 1LK約20〜35㎡約5〜10万円
1LDK約40〜45㎡約10〜11万円
2LDK約75〜130㎡約16〜22万円
3LDK約140〜180㎡約24〜28万円

報道で「家賃5万円」と見出しになっているのは、この表のいちばん下の数字です。実際に案内される間取りは世帯人数によって決まり、2人世帯なら原則1LDKとされています。希望がそのまま通るわけではなく、応募者の希望・間取りのタイプ・住居内外での実証内容など複数の要素を掛け合わせて、事業者側が選出する形です。

周辺相場と比べてどうか

最寄りの岩波駅周辺を見ると、築19年の1K(31.4㎡)が5万円台、築21年の2LDK(54.47㎡)が7万円台。裾野市内では新築1LDK(41.25㎡)が7万円台という物件もあります。

地元の感覚で言えば、1R〜1LKは相場並み、2LDK以上は割高。ただしWoven Cityの住戸は新築・オール電化・フリーWi-Fi完備で、2LDKなら75〜130㎡と一般的な物件よりかなり広い。単純比較しづらい部分はあります。

ウーブンシティの住居棟とWoven Welcome Center

2年間の総額をシミュレーションしてみた

家賃だけ見ていると見落とすのが、敷金・保証料・駐車場です。2人世帯を想定して1LDK(10〜11万円)で試算しました。

項目低位(賃料10万・駐車場4,000円)高位(賃料11万・駐車場15,000円)
賃料 24ヶ月2,400,000円2,640,000円
駐車場 24ヶ月96,000円360,000円
敷金(賃料1ヶ月)100,000円110,000円
初回保証委託料(賃料の40%)40,000円44,000円
継続保証委託料(13,000円×2年)26,000円26,000円
合計約266万円約318万円
月あたり平均約11.1万円約13.3万円

敷金は退去時に原状回復費を差し引いて戻る可能性があるので、実質負担は約256〜307万円と見ておくとよさそうです。

この表に入っていない費用

  • 共益費・管理費……公式に記載なし。月5,000〜10,000円なら2年で最大24万円上乗せ
  • 火災保険料……通常は加入必須。2年で2〜3万円程度
  • 光熱費……オール電化のためガス代はゼロだが、その分が電気代に集約される
  • 引越し費用(2回分)……入居時と、2年後の退去時
  • 原状回復費……敷金から控除

これらを含めると、現実的には2年間で300〜380万円規模を見ておくのが安全でしょう。「家賃5万円」の見出しだけで判断すると足をすくわれます。

応募から入居までのスケジュール

2026年8月19日 13:00応募締切
2026年9月説明会&体験会(入居希望者全員で参加)
2026年10月間取りのご提示会(入居希望者全員で参加)/賃料・間取りの詳細説明
提示会以降間取りを選択 → 保証会社の審査 → 賃貸借契約締結 → 内見
2027年3月以降引越し・入居開始

注意したいのが、9月の説明会と10月の提示会は入居希望者全員での参加が必要という点。家族で応募するなら、全員のスケジュールを空けられるかを先に確認しておく必要があります。

もうひとつ、内見は賃貸借契約の締結後です。提示会ではバーチャル内覧ツールでの紹介にとどまります。実物を見てから契約するという通常の流れではない点は、あらかじめ理解しておきたいところです。

応募後にキャンセルはできるのか

できます。公式には「定期建物賃貸借契約の締結手続きまでの間であれば、応募を辞退することが可能」と明記されています。

ただし条件があり、契約前に振り込んだ敷金は、辞退の事由によっては返金されない場合があるとのこと。敷金は賃料1ヶ月相当なので、1LDKなら10〜11万円です。

実務的には、敷金を振り込む前の段階(9月の説明会・10月の提示会あたり)までは、ほぼノーリスクで検討できると考えてよさそうです。この構造を知っているかどうかで、応募のハードルはずいぶん変わります。

応募前に必ず確認したい5つのこと

① ペットは「応募フォームでの申告」が必須

今回いちばん見落とされそうなポイントです。

公式によると、ペットは一部の住戸でのみ飼育可能で、戸数に限りがあります。そのうえで「ペットの飼育を希望される方は、応募フォームにて必ず記載ください」と明記されています。居住後に飼育を希望する場合は、コンタクトセンターへの事前相談が必要とのこと。

つまり後出しは「相談」扱いで、枠が限られている以上は通らない可能性があるということ。小型のペットだから大丈夫だろう、という判断は危険です。飼育可能なペットの種類は公式サイト内の別リンクに掲載されているので、応募前に必ず確認を。

② 家具・家電が付いているかは非公開

調べた限り、公式ページにも報道にも家具・家電の付帯有無の記載が見つかりませんでした。判明しているのは設備面だけです。

  • 電気はオール電化(ガスの一般利用は想定されていない)
  • 上水道は井戸水の専用水道
  • フリーWi-Fi完備

普段ガスコンロで料理をしている人にとって、オール電化への切り替えは地味に大きな変化です。ここはコンタクトセンターへの確認案件。

③ 住民票を裾野市に移す必要がある

Weavers(住民)は全員、生活の拠点をWoven Cityに移すことが求められ、裾野市への住民票の異動が必要です。

御殿場市や沼津市など近隣から移る場合でも、これは実質的な「転居」になります。国民健康保険や介護保険の保険者が変わり、自治体独自の福祉サービス(高齢者向けの各種補助など)も裾野市のものに切り替わります。2年後にはまた元の自治体へ戻る手続きが発生する点も含めて、事前に両市の窓口で条件を比較しておくことをおすすめします。

④ 75項目のデータ提供と肖像使用への同意

Woven Cityは実証実験の街です。入居にあたっては、必要なデータの提供と肖像の使用に入居希望者全員が同意する必要があります。

報道によれば同意項目は75項目にのぼり、氏名・電話番号・勤務先といった基礎情報から、世帯年収幅、顔写真、口座情報、防犯カメラ画像、住居デバイスの使用履歴、コールセンターの通話ログ、宅配物の伝票情報まで含まれるとのこと。

ここは価値観が分かれるところです。単なる賃貸ではないという前提を、家族全員で共有しておく必要があります。

⑤ 来客・訪問のルールは公表されていない

親族や友人が訪ねてくる際の手続き(事前登録の要否、ゲートでの扱い、宿泊の可否)について、公式ページに記載を見つけられませんでした。Woven Cityは入場ゲートのある管理された街なので、通常のマンションと同じ感覚ではいかない可能性があります。ここも確認事項です。

暮らしの環境:買い物とアクセス

街の中には簡易スーパー・飲食店・クリニック・保育園等が設置されています。2026年8月現在で稼働が確認できる施設は以下の通り。

  • コンビニエンスストア、レストラン、ランドリー
  • スマートクリニックモバイル
  • 上島珈琲店 Woven City店(UCCジャパンによる実証店舗)
  • ナーサリースクール/エレメンタリースクール(増進会ホールディングス)
  • Woven Welcome Center、Weavers Center、Kakezan Invention Hub、コートヤード

ただし「簡易スーパー」であって、日常の食料品をフルに賄える規模ではないと考えたほうが現実的です。普段の買い物は車で近隣(裾野・御殿場・長泉方面)に出る前提になるでしょう。駐車場は別途、月額約4,000円〜約15,000円です。

その意味で、もともと裾野・御殿場・長泉あたりに住んでいる人にとっては有利な物件と言えます。生活圏や通院先を変えずに移り住めるからです。遠方からの移住者が抱える「買い物・通院・人間関係」の不安を、地元住民はほぼ抱えずに済みます。

街の外周部に停車する自動運転車両と隣接する住宅地

アクセス

所在地静岡県裾野市御宿1117番地
最寄駅JR御殿場線 岩波駅(岩波ゲートから徒歩約6分・約450m)

岩波駅は御殿場線の沼津〜御殿場間にある駅です。沼津方面へも御殿場方面へも1本で出られます。

倍率は本当に「数百倍」なのか

「申込殺到か」といった見出しも目にしますが、実際の入居状況を見ると印象が変わります。

報道によれば、Woven Cityには2026年4月時点で約50世帯・100人ほどが入居しています。Phase 1エリアの最終目標が約360人ですから、まだ3分の1にも届いていません。

ウーブン・バイ・トヨタ側も「2026年度からウィーバーズを増やし、本格稼働する」「ここまでの3ヶ月は準備期間だった」と説明しており、いまは住民を増やしたい局面です。選考は応募情報や間取りの空き状況などをもとに行われるとされています。

もちろん25世帯という枠は小さいので競争にはなります。ただ「数百倍の狭き門だから応募するだけ無駄」という前提は、少なくとも現時点の実態とは合っていないように見えます。

Woven Cityの今後:ここからが本番

訪問者(One Day Weavers)の受け入れが始まる

今回の住民募集と並行して、2026年8月下旬から静岡県民を対象とした訪問者の募集が始まる予定と報じられています。

これまでWoven Cityは一般見学を受け入れておらず、中の様子を自分の目で確かめる手段がありませんでした。訪問できるようになれば、応募を迷っている人が実際に街を見てから判断できるようになります。8月下旬の情報は要チェックです。

Phase 2の建設が本格化する

いま完成しているのはPhase 1エリア(約5万㎡)。Phase 2は約18万2000㎡と、3倍以上の規模です。2026年夏ごろに造成工事が一段落し、その後に建物の建設工事を始める計画とされています。

Phase 1の住人から住環境のフィードバックを得て、Phase 2の計画に反映する方針。将来的には都市全体で約2,000人が住める環境を目指しています。

裏を返せば、今回の入居期間(2027年3月〜2029年2月)は、まさにPhase 2の建築工事が本格化する時期と重なります。工事車両の出入りや騒音は、ある程度想定しておく必要があるでしょう。実際に街の外から眺めると、住居棟の奥に工事用クレーンが立っているのが見えます。

ウーブンシティの全景と奥に見えるPhase 2の工事クレーン

「未完成の街」であることの意味

Woven Cityが住民に求める姿勢として、以下が挙げられています。

  • 「未来の当たり前」を共創する意思
  • 「未完成の街」であることを理解し、機器類の停止やその他不測の事態も前向きにとらえる気持ち
  • コミュニケーションの共通言語として英語を使うことがあるため、英語の説明や資料に抵抗がない素養
  • 提供されるツール・サービスを操作できること

実際、開業後には施設内の顔認証システムでトラブルが起きたことも報じられています。「最先端の街に住む」は「不具合と付き合う」とほぼ同義です。ここを楽しめるかどうかが、最大の適性判断になりそうです。

まとめ:8月19日13:00まで、まだ動ける

整理すると、こういう構造です。

  • 応募しても契約手続き前なら辞退できる
  • 家賃も間取りも10月の提示会まで確定しない
  • つまり応募は選択肢を確保する行為であって、決断ではない
  • ただしペットの申告だけは応募時に済ませておく必要がある

迷っているなら、まず応募する。そして9月の説明会と10月の提示会で判断する。この進め方がいちばんリスクが低いはずです。締切を過ぎてしまえば、その選択肢すら消えます。

次回の募集がいつになるかは未定です。公式には「実証実験のスケジュール、その他事由により都度募集を行う場合があります」「募集時点の実証実験等の状況により、募集条件は変化します」とあり、実際2026年2月にも約20世帯の募集が行われていました。次があるとしても、対象エリアや賃料などの条件が今回と同じとは限りません

気になる点があれば、締切前にウーブン・シティ コンタクトセンターへ問い合わせを。電話番号は公式サイトの「Contact」ページから確認できます。特に家具の有無・ペットの種類・来客ルールの3点は公表情報だけでは判断できないので、聞いておく価値があります。

▼応募・詳細は公式ページから
Toyota Woven City|Weavers(住民)募集

※本記事は2026年8月13日時点の公開情報および現地での撮影をもとに作成しています。募集条件や各種費用は変更される可能性があるため、応募前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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